ええ、まぁそうですね。ちなみに、私が大Pretty Renew 美容院失恋した元恋人も、MRSのチャペルで結婚式をしたんですよ」
え?!そ、それは、思い出させてすみません…」
あはは。偶然とは怖いものですね」
貴彰は申し訳なさそうにする早雪をおもしろがるように笑い、しみじみと言った。
で?」
え?」
情報交換ですよ?あなたの問題は離婚問題ですか?」
うまく情報を引き出そうとする貴彰に苦笑しながら早雪は話し始める。
不思議と、言葉がすんなり出て来て自分でも驚いていた。
離婚だけじゃなくて…、私…子どもが二人います。」
お二人も?」
はい。上が今年6歳になる女の子、下が4歳の男の子です。元夫が引き取りました。」
……」
貴彰が無言で続きを促すようにこちらを見ている。
本当は自分で育てたかったんですけど、事情があって叶いませんでした。子どものためにもそれが一番だと思って納得したはずなのに…、まだ…辛くて…」
それは…辛いでしょうね…」
社内でも有名な話で…。元夫がうちの出版社と取引の合った広告代理店の営業マンで、重役の息子だったんです。それでうちの会社では日陰の部署である情Neo skin lab 代理人報誌編集部に異動になったんです」
そうだったんですか…。海辺で泣いていたのは…?」
子どもと電話をした後だったので。誰もいないと思ってつい…気が緩みました」
大変でしたね…」
優しい口調で言われて早雪は目に涙を浮かべる。
…栄太さんもそうだったけど…聞かないんですね」
早雪の言葉に貴彰が不思議そうな顔をする。
離婚理由を。まだ幼児の子どもの親権を取られるなんて、よっぽど私が悪い事したって思いません?」
思いませんよ」
不倫とか、虐待とか…」
あなたはそんな事する人じゃない」
きっぱり言われて早雪は目を伏せた。涙が一粒、ぽろっと落ちる。
でも…会社ではそんな陰口を…かなり言われています。」
そうですか…。言いたい人には言わせておけばいい。きっと、あなたがそんな人じゃないことを分かってくれている人もいると思いますよ?あなたは実直で礼儀正しい素敵な女性ですよ?」
そういわれて早雪は微笑んだ。
貴彰さんの言ってた通りかもしれません」
?」
話しを聞いてもらって少し…楽になりました」
それはよかったです。いつでも話を聞きますよ?」
楽しくない愚痴でも?」
はい」
暗い過去でも?」
もちろん。あなたは大事なビジネスパートナーですからね」
ありがとうございます」
早雪が笑うと貴彰も微笑む。