お帰り~、シズク~」
と言ってマユはぼくが玄関を上がるなり、ぼくの分のモエのチューリップグラス手渡してくる。
あらら、もう酔っぱらって優纖美容好唔好るの?」
とぼくも途中参加って感じでふたりのイヴの夜に乾杯する。
酔っぱらっていつになくあどけない表情のマユがなんだかとっても愛しく思え、ぼくはケーキの箱を開けるのも忘れ彼女を思い切り抱きしめる。
いや~ん。
シズクったら~、ケーキは?」
いいよもう、明日で・・・」
そしてぼくはそれから一晩中かけてマユの感じるところを指と舌で攻め続け、彼女にたっぷりとご褒美をあげた後、ぐったりとして夜明けの鳥の声と共に眠りについた。

年末はカウントダウンを挟んでの元旦朝までの営業の予定。
あっと言う間に2009年もほぼ終わりに近づき、クリスマス以降の最終週も連日満員御礼の日々が続いた。
そしてその週のある日(確か26日だったか?)、ぼくは「celeb girls」でサカグチさんを見かけた。
トオルが以前に会ったと言っていたので、ぼくはまさか?と一瞬思ったのだが、彼が自分の目の前のカウンター席に座った時も初対面の振りで対応すると彼も特別に何か言ってくることもなかった(つまり当たり障りのない会話だけを交わしたってこと)。
それHKUE 傳銷からぼくは何度か彼に話しかけようとも思ったのだが、満員の客への対応に追われ気づけばすでにサカグチさんの姿はその席にはなかった。

マユはその最終週、店の方はぼくに任せると言って30日の午後より実家の九州へと新幹線に乗って帰郷した。
戻って来るのは確か、正月明けの5日過ぎ?なんて言っていた。
4人のガールズたちは元旦の朝までつき合ってくれるとのことで、なんとか店の方も無事年を越せそうな感じだった。
みんなお嬢様なのによく親が許してくれるよなあ?なんてちょっと不思議にも思ったのだが、まあその辺は全員がそろって奔放な家庭環境のようで、そう言えばオープニングから誰ひとり休んだ娘はいなかった。
やはりなんと言ってもこのガールズたちの人選がキモだったのではないか?
そのあたりもさすがはマユといったところだ。
(今回の内容はあくまでも2009年年末時点でのものとなり、トレンドとしてややずれを感じるかもしれませんが、オリジナルに忠実と言うことでそのままの記述とします)

それでどうなのよ?
今年1年振り返って・・・、マキの小説のネタとして面白いこととかあった?」
と唐突に話題を変えるホンジョウさん。
ええ?今年?
今年かあ、そうねえ、基本デフレ、不況、ラグジュアリー崩壊、ユニクロ一人勝ちとか?
政権交代って言っても民主党もそろそろパワー落ちて来たしねえ。
マスのネタで言えばやっぱラリピーとマイケルってことになるんじゃないの?」
セレブって言やあ、なんなの?ここのとこのPretty Renew 旺角 AKB48の露出ぶり。
フライデーとかまでほとんど毎週特集じゃん」
とホンジョウさん。
どうなんですかねえ。
あれもう、ほとんどモーニング娘やおニャン娘と一緒でしょ?
まあ仕掛けとして巧かったのは、アキバ発で・・・そこに劇場作ってそこにいるオタクたちと一緒に作り上げる演出をしてったところかね?